ちゃーべん的飛行機模型の旧作キット塗装 エアブラシ・汚し編

2023年8月2日

 エアブラシを使う場合、飛行機キットの塗装は、下地にサーフェイサーを塗装し、色を塗り、軍用機の場合はスミ汚しをし、その上でクリアー塗装をかけます。戦場に於いてはラフな使われ方をされ、飛行の際には排気管から排気で機体が汚れ、敵機を撃墜するには機関銃の煤(すす)が機体に付着することによって、工場から出てきた時の姿とはある程度変化があります。そこでちゃーべんも資料の写真を見て汚れ方をも含めた塗装の参考にするわけなのですが、どのような戦場でどのような扱われ方をしたのかということも多少考えてサジ加減をすることもあります。また、どのような作戦行動をしていたかも加味して考えると、同じ機種でも雰囲気を変えて完成させることもできます。

目次

サーフェイサーを吹き付ける

 組み立ての手順で合わせ目を消して整形した後(キットによっては1000番のフィニッシングペーパーを使用して整形した後)、サーフェイサーを胴体や主翼の継ぎ目に集中して吹き付けましょう。

 塗装の際にはエアダスターでホコリを除去しましょう。

 うっかり忘れてもフィニッシングペーパーの1500番でヤスリ掛けすればホコリを除去できますが、余計な手間は無い方がよろしいですから。

濃度は

サーフェイサー:40%

エアブラシ用シンナー:60%

といった具合の割合で溶いておきます。吹付け後の整形は「機体組み立て編」で確認していただくとして、整形が終了した後、何回か塗り重ねて機体を真っ白けにします。

 ここで気を付けたいのは慌てて機体を染め上げようとして一遍に多量に吹き付けてしまうことです。これをやってしまうと塗料が垂れて後始末が大変なばかりか、機体の垂れた跡をヤスリ掛けで修復する手間が発生するだけでなく、最悪の場合機体のモールドがサーフェイサーに埋まってしまいます。ですから機体にエアブラシで色を塗る時は平日の夜に作業する場合でしたら、一日一回全体に吹き付ける作業を月曜~金曜日までかけてちゃーべんは行っています。これは機体の大部分を占める色を塗装するときも同じです。

 大戦機の機体色は、例えば銀色なら機体のみならず主脚のカバーや尾輪カバーといった部品にも塗る必要がありますが、尾輪カバーのようなごく細かい部品は、塗装の前に機体に接着してしまうほうが楽です。

 また操縦席は、サーフェイサーが吹き込まないようにマスキングを丁寧に行いましょう。

 照準器は、機体によっては機体の塗装が済んで後から接着した方が確実です。マスキングテープでキャノピーの中に隠れるところをカバーする際、爪楊枝を使用してスキ間をなくしましょう。

 慎重になる必要性があるため、ちゃーべんはマスキングの作業をなるべく疲れが取れた日曜の夜に行うようにしています。ヘトヘトに疲れたときにやろうとしても途中までしかできないばかりか、そもそもやる気が起きないこともあります。また、時間が余ったり、疲れている時には吹付けを施した機体を乾燥させる場所の確保をするのもアリでしょう。万が一組み付けた機体を落としても大丈夫なようにご注意ください。ちゃーべんは機体が落ちるところまでの高さは模型の箱1個分と決めています。

 機体の一部を彩るマーキングは、一つの色を五回塗る所は機体色と同じですが週末を利用して1時間~2時間おきに5回塗装して日曜の夜にマスキングを施すといった手順を踏みます。塗装でもマスキングでも、準備から片付けまでの一連の作業時間が1時間を超えないようにしましょう。集中力の限界を超えないようにするという理由もありますが、つい塗装にのめり込んで抱え込んでいること(家の掃除とか)が出来なくなることを防ぐ意味もあります。あくまで気分転換のための作業と考えましょう。

マーキングの塗装→デカール貼り→クリアー塗装する

塗り分け方の写真

無塗装銀の場合

 いよいよここで機体の塗装に至るわけですが、まずは機首や尾翼などに施されたマーキングを塗装します。

 手順的にも、全体が無塗装の銀もしくはオリーブドラブ(米軍機の場合)を塗装するにあたってはマーキング部分をマスキングして後で全体の機体色を大まかに塗装した方が多少のフォロー(タッチアップ)して完了できるからです。

 例えば黄色などの隠蔽力の弱い色を銀やオリーブドラブの上から塗っても、隠蔽に手間取るだけでなく下地の塗料がにじみ出てしまいます。アクシデントを想定してゆっくりとでも着実に進められるように段取りを考えましょう。文字通り「あとの後悔先に立たず」なので、その工程の後にアタフタしないかどうかを考察することが大切です。

濃度は

塗料:40%

エアブラシ用シンナー:60%

の割合です。

塗装の際のマスキング

 例えばP-51マスタングの塗装には機首と尾翼にチェックなどの模様が施された例が多いですが、流線型の面の上に破綻の無いチェック模様を吹き付け塗装しなければならない場合もあります。キットにはその部分のデカールが付いていることが多いですが、もしも貼り付けに失敗したらまたデカールを注文する必要が出てきます。そういうわけで多少面倒くさくてもちゃーべんはリカバリーの効く「塗装」を行うのですが、破綻の無きように塗装をするには、チェック模様を塗装するのなら、ただその大きさにマスキングテープを貼り付けられるように切っておけばいいだけではありません。

 またP-51マスタングの例になりますが、ご覧の通り機首が先鋭化しているので、チェック模様の大きさに切ったマスキングテープを貼り付けようとしたら、必要な分を貼ろうとしたら形状に必ず破綻が生じます。

 そこで機首に貼り付ける分のマスキングテープをヨコ半分に切り、かなり小さいサイズになりますが先にすぼまっている形状にフィットするように一マスに半分ずつ貼り付けてマスキングします。

 そのうえで塗装してもう一つの色を同じ工程で塗装するわけですが、塗料がはみ出たときのリカバリーもヤスリ(ペーパー)掛けの上筆塗りでタッチアップしてOKです。

 その次に銀以外の色をマスキングして最後の最後に銀塗装を行うわけですが、機体の大部分を銀を塗るケースが多いP-51マスタングの場合、つい勢いにまかせてブヮーッと吹き付けがちになるかもしれません。ですからそこは一回目は慎重に塗膜を作り、ホコリが付着したらヤスリ(ペーパー)掛けでホコリを除去してまた吹付け…という工程を少なくとも5回は繰り返して完了です。平日の夜に銀塗装をするべく予定をこなして行くようにすれば、完成までのモチベーションを高く保てるでしょう。

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筆塗りの場合

 雷電、零戦などの濃緑色なども筆塗りで仕上げるとイイ味が出ますが、マスキングテープで覆われた部分に塗料が滲まないように気を付ければ豪快に一発で塗装をして塗膜を仕上げることもできます。

 ただそのあとに筆塗りの跡「筆ムラ」ができてしまいますので、フィニッシングペーパーの1500番もしくは2000番で筆ムラを消しましょう。ペース配分から見て平日の夜に塗装をして週末に筆ムラ消しにかかるとみておけばいいでしょう(1/48大戦機の場合)。また、筆ムラの跡が外板のうねりに見える場合があるので、ちゃーべんは敢えてイジらずにそのままにして「味」にすることもあります。

デカール貼り

 キットの指定通りの色を塗り終えたら、デカール貼りをしましょう。  指定通りのデカール貼りをするにあたって、

1.個々のデカールを切り分けておく。

2.注意書きの通りに貼り付ける。

という段取りの他に、隙間と破綻なくピタッと貼り付けるには貼る前と貼った後にやるべきことがあります。

 例えば写真のように、尾部と舵面にまたがってマーキングのデカールを貼り付ける場合、貼る前に尾部の部分と舵面の部分とに切り分けておきましょう。

 なぜかと言えば、デカールを貼り終えたときにデカールのマークが可動部をまたがっている形になると、ややオモチャっぽい雰囲気になってしまうのです。

 なので、それぞれに切り分けたデカールを所定の位置に貼ったうえでスミ入れを施しましょう。モールドの分だけ少し離して貼るのがコツです。

 また、旧作キットには凸モールドのパーツもあり、デカールをマークソフターを併用して貼っただけでは気泡が出来てしまいます。そうした場合は、カッターの先で気泡を潰して、気泡の部分にまたマークソフターを塗ってピッタリと貼り付けるようにしましょう。




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スミ汚し

 内装の塗装が終わったら、軍用機ならば銀色をドライブラシで塗り、後からスミ汚しをします。

 ドライブラシとは、例えば筆塗りの際に薄め液で溶いた塗料を筆に含ませますが、筆につけた塗料をある程度擦り付けるように落としたうえで塗装するという技法です。この塗装は、レシプロ戦闘機などの軍用機の外側の塗装で、より一層使い込んだ感じを出すためにも使われています。

 スミ汚しは、塗装の上から黒い塗料を塗ってからすぐ大まかに拭き取って、黒ずんで汚れた感じを出す技法です。これもまた機体の外側に施すことで、風雨にさらされた感じを出す効果があります。

 このスミ汚しはタミヤのブラック(タミヤカラーXF-1)を薄めて使いますが、

割合は

 タミヤカラーXF-1 40%

 タミヤX-20A アクリル溶剤 60%

にし、大きな筆で手早く全体に塗りましょう。そのあとで素早くティッシュで7割がた拭き取り、汚しが少し目立つように残しましょう。 

クリアー掛け

 塗装の総仕上げとして、クリアー掛けをしましょう。

 この塗装は、デカール部分と塗装部分のツヤを統一させるという意味もありますが、この塗装が欠かせない最大の理由は、デカールの劣化を防ぐことなのです。

ちゃーべんは軍用機のクリアー掛けをする際、クレオスの#30フラットベースを#181半つやクリアーに混入しますが、これはツヤをギリギリ残すクリアーを作るためです。

割合は、

クレオスの#181半つやクリアー 20%

クレオス#30フラットベース 20%

薄め液 60%

で、これも5回に分けてふきつけます。

 以上がちゃーべんの軍用機塗装の流れですが、機体によっては機関銃の硝煙の汚れが機体についていたりとか、冷却器からのオイル漏れなどがあったりとかといった細かい汚れも、戦争中の写真を見ると見かけることもあります。様々な資料をみて自分なりにアレンジすることも軍用機の模型を作る楽しさといえるとちゃーべんは思います。


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Posted by ちゃーべん