ちゃーべんの飛行機模型の旧作キット製作 機体組み立て編

2023年6月23日

 飛行機の模型を作ってツイートやブログにアップする際、ちゃーべんはよく旧作キットを題材にしています。その作り方はブログを見て頂ければ大体分かるとは思いますが、基本的には瞬間接着剤の他にパテとフィニッシングペーパーが欠かせません。近年のキットは瞬着を流し込めばスキマはフォロー可能ですが、ちゃーべんの作るキットはこの隙間を埋める3種の神器の他に輪ゴムを使用してギュウギュウと部品を密着する手間も必要なのです。しかしながらこれらの材料と手間で個性的なモールドをまとったかつての名作キットが、新作キットに負けない存在感をもって完成されるのです。泥臭い作り方とも言えますが、こうして完成させた作品は愛着もひとしおとなるでしょう。

目次

購入から製作前の下準備まで

 お目当てのキットを購入しましたら、しばらく積む(ストックにする)場合は、出来ましたら国産キットの空き箱に移し替えておきましょう。メーカーによっては5箱以上積んだら重さで潰れてしまう箱もありますので、ちゃーべんは最近の国産キットの空き箱に移し替え、キットの中身が分かるよう表記して積んでいます。また、絶版キットでは箱が汚れていることもありますが、こうしたキットもまたなるべく新しい国産キットの空き箱に移し替えましょう。  その際、どんな完成品にするかによってストックパーツを用意し、すぐに組み立てない場合は箱の中に入れておいてもいいでしょう。頭の中に完成図がありましたら、ストック―パーツを漁って入れておくことで後からアタフタしないで済みます。もし何か製作途中でどうしても欲しい模型を手に入れて取り敢えずストックしておこう、となったときに進行中のものを完成させてすぐ取り掛かることができます。

内部塗装

 飛行機(戦闘機)のキットを作り始めて手を付けるのはまずコクピット内でしょう。まずは内壁をキット指定のコクピット色で塗ります。しかし注意が必要なのはP-51マスタングなどの現在でも飛んでいる民間機で、内部の色がクレオス#12オリーブドラブでなく、グレーになっています。ちゃーべんはクレオスの#56明灰緑色(中島系)を使っていますが、これはこの色が結構近いかも、と考えて選んでいるので、よりこだわりたいのでしたら調色してもいいかもしれません。ひょっとしたら個体によって微妙な違いがあるかも知れません。また民間機の場合は照準器を付けないことを忘れないことです。うっかりキットの指示でつけたまま完成させて後から気づくことの無きよう。

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↑写真の内部色はこの色です

 その次に機内の機器類の塗装です。外観は黒で、スイッチ類は銀色に塗装します。割と細かい所ゆえ、面相筆で塗装してもハミ出ることはあります。その際にさっとリカバリーできるように、カッターの刃を出しっぱなしにしておいてください。何も切断するわけではありませんが、必要なのはカッターの「峰」の部分で、普通の持ち方と上下を逆にして峰を塗装部に当て、こそぎ落とすのです。瞬時の間にリカバリーが必要になるのでカッターの刃を出しっぱなしにしておく必要があります。くれぐれも至極安全な手の届く所にカッターを置いておいてください。

 計器類などは面相筆でもキレイに塗ることはちゃーべんにとっても難儀なので、塗装には爪楊枝の先端をより鋭く細くしたものの先端で塗装するようにします。インパネの計器類だけでも十数個ありますので、一回の平日の夜の作業時間では終わらないこともあるかも知れません。そのような時は、展示会に持っていくといった予定がない限り、心理的ハードルを下げて2~3日に分けて進行したほうが失敗のリスクも多少下がるかも知れません。

 床が木材でできている場合、

最初にクレオス#7ブラウンを塗る

そのあとにクレオス#49クリアーオレンジを塗る

そうすると、二スを塗った木材らしくできるでしょう。その気になれば面相筆や上述の鋭くした爪楊枝の先端でより濃い茶色で木目を再現できますが、その上に操縦席やら操縦桿があるのでさほど目立たないともいえます。ちゃーべんも余程目立つところで、キットに木目の表現があった時にはこの方法で塗装するつもりです。

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茶色はこの色です

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ニスはこの色で再現しました

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フジミ1/48P-51マスタング③内装

 機体内部を組み立てる際に考証も大切ですが、その他にも後の段取りを考えた準備も同時に行うことも大切です。あとから後悔しないようある程度自分で段取りを考えて進行しましょう。

 内装の塗装が終わったら、軍用機ならば銀色をドライブラシで塗り、後からスミ汚しをします。

 ドライブラシとは、例えば筆塗りの際に薄め液で溶いた塗料を筆に含ませますが、筆につけた塗料をある程度擦り付けるように落としたうえで塗装するという技法です。この塗装は、レシプロ戦闘機などの軍用機の外側の塗装で、より一層使い込んだ感じを出すためにも使われています。

 スミ汚しは、塗装の上から黒い塗料を塗ってからすぐ大まかに拭き取って、黒ずんで汚れた感じを出す技法です。これもまた機体の外側に施すことで、風雨にさらされた感じを出す効果があります。

 このスミ汚しはタミヤのブラック(タミヤカラーXF-1)を薄めて使いますが、

割合は

タミヤカラーXF-1     40%

タミヤX-20A アクリル溶剤 60%

にし、大きな筆で手早く全体に塗りましょう。そのあとで素早くティッシュで7~8割がた拭き取り、汚しが少し目立つように残しましょう。

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胴体/翼貼り合わせ→サムライの字に(胴体と主翼、尾翼を接着する)

 内装が終わったらいよいよ外形を形作ります。

 胴体は、床板と計器盤を含めた操縦席を接着した側と反対側の位置関係がズレないように注意しましょう。その際、初版から相当の年月が経過しているキットならば、そのまま接着した場合はスキ間が開いてしまうこともあります。その場合は、輪ゴムで貼り合わせた胴体を巻いて、接着面を密着させる必要があります。同時に主翼の上下も貼り合わせますが、接着は同様のやり方で行い、また胴体と主翼がそれぞれ接着出来たら今度はその両方を接着しますが、部品の合いによってはまた輪ゴムが必要になるでしょう。胴体と主翼がしっかりと接着出来たら、尾翼類を接着して外形をカタチにし、丁度「士(サムライ)」の字のようにします。接着剤が乾くまでの時間で、正面から片目をつぶって見て主翼と尾翼の角度を整えましょう。

パテで接着面の消去・整形(基礎工作)

 この項目は近年のキットによっては必要性があまりない場合もありますので、左右胴体や上下主翼をまず嵌めてみて段差が見受けられないようでしたら、接着の際に部品の合わせ目を瞬間接着剤を塗ってフィニッシングペーパーのヤスリ掛けを施せばほぼ問題ありませんので、差し支えないようでしたら次項に進んでください。

 例えば旧作キットなどは胴体の合わせ目で段差ができる場合があり、ういう時はパテを盛って機体の胴体、主翼の貼り合わせたあとの消去と整形のためにパテ盛りの上整形を行います。まず胴体や主翼などの接着面の上にパテを盛りつけ、パテが乾くまで待ちます。ちゃーべんは約一日の時間を見ています。

 パテをヤスリで整形する前に、まずはカッターでザックリ盛ったパテを機体外形に大まかに沿ってこそぎ落とします。そして、作業する机の上に新聞紙を敷いて、フィニッシングペーパーをかけるわけですが、目の粗い(小さな数字の番号のもの)から順番にヤスリをかけて整形していきます。

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↑ちゃーべんは段差をこれで直しています

 エアブラシを使って塗装する場合、機体の整形を2000番まで使用してサーフェイサーを吹いても凸凹が露わになることがあるので、1000番でヤスリ掛けした後にサーフェイサーをふき、凸凹を1500番と2000番で均して平滑にし、そのあとで再びサーフェイサーを吹くといった手法をとっています。

順番は、

400番→600番→1000番→1500番→2000番

の順に使用してパテの山を段々なだらかにしていきますが、機体を筆塗りで仕上げるか、エアブラシを使用して仕上げるかで異なります。

 ですが、上の画像のマイクロエースのP-51Dマスタングのキットは、風防前部の下まで、ガラスでない所までがキャノピーのパーツになっており、その箇所もまたパテ盛りの上整形が必要になります。その際に風防にフィニッシングペーパーが当たらないようにマスキングゾルでカバーしたうえで整形作業をするようにしましょう。

 キャノピーの塗り分けは裏から機内色(クレオス#12オリーブドラブ)を塗装して塗り分けラインを決め、その上で行えば確実です。

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↑軍用のマスタングはこの色で塗ります

 筆塗りで塗装する際は、塗装前に2000番までの順番でヤスリ掛けを行い、そのあとで塗装を行ってから塗料のムラがある所に再び1500番と2000番を使用します。場合によっては多少ムラがあっても機体外板のうねりのように見えるときは敢えてそのままにするケースもあります。ただそのままにするとはいっても、微細な傷は残っているので、傷をなくす程度にヤスリ掛けをするようにしましょう。


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