旧オオタキ1/48⓪零戦52型パーツ確認

 久しぶりに大戦機を作ろうと思ったちゃーべんは、ストックの中から旧オオタキの零戦52型丙を利用して無印の52型を作ることにした。このキットは翼の裏面のモールドが無印の52型と一緒なので改修は難しくないと判断してのこと。あと細かいところは改修していくとして、このキットもまたシンプルで改修のし甲斐があって面白そうだ。手を入れる余地があってそれなりにちゃんとした完成品が出来るところがこのシリーズが好きな理由である。もはや初版以来半世紀を超えているが、今でも現行商品として流通しているのはうれしい。胴体や部品を合わせる時もパテが必須ではあるがペーパー掛けをじっくりと行えば充分キレイに仕上がるのだ。この高揚感をオオタキの1/48大戦機シリーズで特に感じるのは日本機で、特に胴体と翼の境目のフィレット部を念入りにペーパー掛けすれば流麗な姿が現れる。作っている上で何よりも助かるのはパーツ数の少なさで、細かい部品といってもすぐに見つけられる程度なので進行にほぼ支障はきたさない(最低限気を付けてさえいれば)。ちゃーべんでもそれなりに見ることができるだけの完成度を持っているのだ…。

 旧オオタキのキットで必ずお目にかかるのがパーツに付着しているバリで、市場に流通している年月を感じるところであり、ちゃーべんは「そういえば自分が子供の頃から売っていたんだよな…」と考えながら粛々とバリを取り除く。細かい部品(といっても昨今のキットと比べたらそれほどでもないのだが)のバリも除去したうえで1000番のペーパー掛けでフォローする。仮組を行う前にまずこの作業から始める必要があるのだが青もうちゃーべんにとっては一つのルーティンになってしまった。大まかなバリはカッターでへずり取ってその跡を1000番ペーパーでフォロー、というのはここも同じ。他にも押し出しピンの跡が目立つ個所も少なくないのでペーパーでの処理に限界があったら瞬館接着剤を盛り付けてまた整形を繰り返す。組み立ての前にまず下処理を抜かりなく…。

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 またこのキットの栄21型エンジンも実に味わい深いシリンダーヘッドの形をしている。形状がわりと直線的でスカッとしているのが目を惹く(もっともカウリングを付ければ見えなくなってしまうが)。流麗な零戦の機体の姿と打って変わって武骨なのが面白い。

 またこのキットの栄21型エンジンも実に味わい深いシリンダーヘッドの形をしている。形状がわりと直線的でスカッとしているのが目を惹く(もっともカウリングを付ければ見えなくなってしまうが)。流麗な零戦の機体の姿と打って変わって武骨なのが面白い。


 主翼の形状は再現度は高いと思うのだが、ハセガワやタミヤのキットと違って主翼が先端に向かって垂れ下がっていくような「捩り下げ」がされていない。しかしそれでも大き目な先端の円い直線先細の主翼は、ちゃーべんには零戦の主翼以外には見えない。
なので捩り下げ加工はスルーするが、上に述べたように無印の52型として完成させる予定なので主翼下面の爆弾パーツ取り付け部のホゾ孔を埋める必要がある。埋めるに際して爆弾パーツのホゾの部分を切り取って孔を埋め、瞬間接着剤で隙間をフォローし、ペーパーにて成型した。ただその際にリベットも埋まってしまうのでまた開けなければならない。

 …とここまでは小改修で済む箇所であったが、これは力業が必要だと感じたのが座席の部品である。恐らくパイロットを乗せる前提での仕様なのかもしれないが、押し出しピンの跡とその下に分厚い座布団状の突起があるのである!例えばちゃーべんがタミヤの零戦を作る際には座席のパーツの背もたれに軽め孔をあけるが、それにプラスしてこの座面上の突起を真っ平にしなければならない。しかも座面の裏側には孔まで開いているので、孔を塞ぐ手間も発生する。そこまでやってもパーツの厚ぼったい感じをスッキリさせるのはもっと手間がかかるので止めておくが、この「障害物」にはちゃーべんもビックリ。まあだからなんとかやってみてどう化けるのか楽しみではあるが…。どうにかそれらしく見えるよう頑張ってみるか?

 このキットで別のパーツに差し替えなければと思ったのが風防であった。側面の傷は治せるものの、写真では見えにくいが正面上の部分に抉られたような傷があり、枠のモールドが内側という事もあって修正には難渋を極めるかもと思ってのことである。以前作ったタミヤの1/48零戦21型の開/閉の2パターンの風防の「閉」の方を取っておいて本当に良かった。あとは仮組で調整すればOKだろう。キットの風防の使用を断念するという経験も初めてだが、しかしそれでもまたちゃーべんはこのキットを作るかもしれない。風防の代金がプラスされてもファインモールドの零戦52型よりもずっと安く済んで、考証はともかくスタイルもイイし、何よりもこのキットにだってビッシリとリベットもモールドが施されているではないか…。

 これまで述べたように改修が必要な箇所は多々あるが、やはり機体の優美さを見るとちゃんと完成させたくなってしまう。このスタイルの良さは半世紀たっても最近のキットに負けていないと思う。この胴体の美しさだけで、模型店のショーケースで見かけた少年時代にタイムスリップしてしまう。今その店が無くなっていても模型店にたむろしていた人やご主人のことまで思い出してしまう。繰り返すがこうした憧れのキットが今でもこうして手ごろな値段で購入できることは幸せである。そして今またオオタキの大戦機コレクションに新たな一機を加えようと、ちゃんと丁寧に手を入れて完成しようと決意したちゃーべんであった。


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